恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「今日ってさ、HRだけだから4時間で帰れるんだよね?」
私を気遣ってくれたのか、話を変えてそう聞いてきた芽依の言葉に、『うん』と笑顔を見せる。
「じゃあ、帰りにどこか寄らない?」
「いいよ!」
そう言うと、朝のSHR開始のチャイムが鳴って、芽依は席に戻って行った。
……どうすれば、いいんだろう。
でもあたしのこの気持ちなんかより、莉子のお願いを優先したいんだ。
そのためにも、彼があの三吉くんなんだって、ちゃんと確認しなきゃ……。
ちがっていてほしい気持ちが大きいけど、そんな気持ちは早くどこかに消えてしまえばいいのに。
そう思ってまた、左の窓側のほうに視線を向ける。
三吉くんは、窓から入ってくる白い光に染まっていた。