恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
そういえば、あのクラス委員の男の子……三吉くんと仲よさそうに話していた人だった。
ということは、あたしと同じで友達を待っているんだ。
どうしよう、なんて考えることよりもさきに、体が動いた。
目のまえには、目を見開いてあたしのことを見上げる三吉くん。
緊張してるのか、胸がすごくドキドキしてる……。
「三吉くん……」
そう名前を出すと、三吉くんは少しだけあたしから視線を逸らした。
どことなく冷たい感じが、ちょっとだけ怖い。
でも確認するなら、いましかない。
「あのさ」
そう思ってあたしがなにか話すまえに、彼が口を開いた。
「なんで、あのときなにも言わずにどっか行ってから、いままで連絡ひとつくれなかったんだよ」
その言葉に、もうなにも聞かなくてもわかった。
ーーああ、やっぱりそうだった。
彼は、莉子の好きな人。