恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「きーちゃんどうしたの?」
「ねえ、仮入部行かない?」
「どこの部活? あたし、家庭科部に行こうかなとは思ってるんだけど……」
実鈴、運動するの嫌いだもんね。
そう思って諦めながらも、『運動部のマネージャー』と答える。
仮入部と言うか、マネージャーは見学なんだけれど……。
「あ! ちょっと待ってて!」
「え? 実鈴?」
実鈴はそう言うと、教室のなかにいた女の子を連れて戻ってきた。
「この子、マネージャー志望だから、ふたりで行ったら?」
実鈴が連れてきたショートカットの明るい女の子は、にこにこ笑顔でいる。
「本当!?」
「私でよければ、一緒に行く?」
「もちろんっ」
わー!よかった。
ひとりで見にいくのはちょっと心細かったんだ。