恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



「じゃあ、ふたりともがんばってね」

「実鈴、ありがと!」



実鈴は教室のなかに戻って、すぐに他の女の子たちと楽しそうに話し始めた。

実鈴ってばもうあんなに友達できたんだ……!


そう思って教室のなかを見ていると、実鈴の連れてきた女の子と目があった。



「あ! あたし芹沢希子です」

「私は、須藤湖都(すどうこと)だよ。 希子ちゃんはどこの部活のマネージャー志望なの?」

「えっと……まだ決めてなくて」



苦笑いを浮かべながらそう言うと、湖都ちゃんは『そっか〜』と、相変わらずのにこにこ笑顔で言った。



「私、今日はバスケ部に行こうって思ってるんだけど、どうする?」

「あ、じゃあバスケ部行く!」

「わかった! じゃあ私、荷物持ってくるね!」

「うんっ」



そう言って教室に戻った湖都ちゃんのことを、廊下の壁に寄りかかりながら待つ。


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