恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
ぼーっと教室のドアに視線を向けていると、そこから5、6人の男の子たちが出てきた。
「あ、春馬!」
「希子? なにしてんの」
そのなかにいた春馬と目があって、つい名前を呼ぶと、春馬と男の子たちは足を止めた。
「なにって、友達待ってるの。 春馬は帰るの?」
「ちげーよ。 部活行くんだよ」
「サッカー部?」
そう聞くと、春馬は呆れた顔をしながら『それ以外になにがあんだよ』と言った。
たしかに、春馬は小学校のときからサッカーやってたもんなあ。
「春馬、彼女?」
「はあ!?」
男の子の素朴な疑問に、春馬がすごく嫌そうな顔をして大きな声を上げた。
そんなに嫌がんなくたっていいじゃん!
そりゃあ間違われるのはあたしだって嫌に決まってるけど……!