恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



小さくため息を吐いてから、余計な考えを忘れようと、頭を横にぶんぶんと振る。



--集中集中。
ペンを握る手に力を込めて、心のなかでそう唱えながら数学の問題に取り組む。


数字がたくさん並んだ問題。
ぱっと見、ぜんぶ難しそうで解く気になれない。



だけど諦めないでよく考えてみると、昨日春馬に教えてもらった問題とよく似ていた。

これ……わかるかも。
なんだ、意外に簡単に解けるんじゃん。


いままで解けなかったような問題の解法がわかると、ちょっとうれしい。
だけど、勉強が嫌いなことに変わりない。



お母さんもお父さんも先生も、みんな『受験』という言葉を口を揃えて言う。



それが嫌で、もう耳をふさいでしまいたい。


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