恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
体育館の入り口で、ローファーを脱いでから館内に入る。
部活をしている先輩たちの、キュッキュッと言うバッシュの音がすぐに耳に届いた。
そんなバスケ部を見に来ている人は、みんな男の子で。
女の子で見に来てるのは、あたしと湖都ちゃんだけだった。
「あ! 朝陽だ」
そんな男の子たちのなかを見ながら、湖都ちゃんがその名前を口に出した。
朝陽……?
聞き覚えのある名前に首を傾けながら、湖都ちゃんの視線のさきを見る。
「……あ」
そこにいたのは、体操着を着ている三吉くんだった。
「湖都ちゃん、知り合い?」
「あ、同じ中学なんだ。 希子ちゃん知ってるの?」
「お、同じクラスだから……」
「そうなんだ!」
湖都ちゃんと三吉くん、仲良いのかな。
でも同じ中学で名前呼びなんだから、仲良いに決まってるか。