恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「ねえ、もしかしてマネージャー志望とか?」
サラサラの黒髪をひとつにまとめた、女の人にそう声をかけられた。
ジャージに緑のラインが入っているから、たしか……2年の先輩なはず。
「はい、そうです!」
あたしの代わりに湖都ちゃんがそう答えると、先輩は嬉しそうに顔をぱあっと明るくさせた。
「本当に!?わーよかった! マネージャーって私だけだから、1年生が入ってくれるのか心配だったんだよー」
バスケ部のマネージャーって、そんなに人気ないのかな。
「おい、水樹(みずき)。 おまえその勧誘の仕方やめろ。1年生が断りにくくなるだろ」
そう思っていると、今度は男の先輩がやってきてそう言った。
「あ、竹内先輩!」
水樹先輩も『先輩』って呼んでいるから、3年生……?