恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



荷物を持って湖都ちゃんと一緒に、体育館を出る。
1年生の男の子たちもぞろぞろと体育館を出てくる。


そんななかで、三吉くんとばちっと目があった。



「希子」



そんな彼の言葉に、あたしよりもさきに湖都ちゃんが『えっ』と反応した。



「ふたりって仲良いの……?」



顔を曇らせながら、湖都ちゃんがこそっとそう聞いてきた。



「仲良いっていうか……」



なんて言うんだろう。
友達っていう友達でもない。
あたしにとっては……クラスメイト。


でも、三吉くんがあたしのことを名前で呼ぶから、湖都ちゃんは不思議に思ったのかな。



そう思って立ち止まっているあたしと湖都ちゃんの横を、三吉くん以外の1年生が通り過ぎていく。



「希子、マネージャーやるの?」

「え? あ、まだ迷ってて……」



やっぱりうまく話せない。
少しだけ緊張しちゃってる。


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