恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
制服姿のあたしの隣を、ジャージ姿の三吉くんが歩く。
学校から最寄り駅までの約5分間。
あたしたちはなにも話すことなく、駅に着いた。
なにを話せばいいのかわからなくて。
三吉くんもなにも話さなくて。
「……希子」
駅のホームに降りると、三吉くんが口を開いた。
「三吉くん?」
「さっきも聞いたけどさ、希子はバスケのマネにならねーの?」
「……どうして?」
そう聞くと、三吉くんはあたしからちょっとだけ顔を逸らした。
「いや、希子がマネになったら嬉しいなって思って」
「っえ!?」
「……いまの聞かなかったことにして」
照れたようにしてそう言った三吉くん。
聞かなかったことにはできないよ。
だってばっちり聞いちゃったもん。