恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



くるりと振り返ると、そこには三吉くんの姿があった。



「一緒に行くよ」

「えっ、いいよ!」



こんな姿見せてるの、恥ずかしいし。
そう思って断ったけど、三吉くんは『行くよ』と答えた。



「俺も指やっちゃったから」



笑いながら見せてきた三吉くんの右手の人差し指は、赤く腫れていた。



「つうか、ティッシュとかねえの?」

「うん、だから急がなきゃ」



そう言ってまた歩き出す。


そして保健室に着いたのはいいものの、保健室のドアには『出張中』のプレートがかかっていた。



「うそでしょ……」

「とりあえず入っちゃおう」

「う、うん」



いいのかな。
でも、早くティッシュもらわなきゃ、体育着が真っ赤に染まっちゃう。


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