恋日和 〜キミに届かない恋でも〜


「それにしても、顔から当たるなんてすげえよな……」

「あははっ、ちょっとぼーっとしてて」

「痛くない?」

「うん。もう大丈夫だよ!」



これ以上心配かけたくないと思って、笑顔でそう返した。
……三吉くん、優しいな。



「……というか、もどらなきゃ」

「血が止まるまでは少し休もう」

「休むっていうか、サボりじゃない?」



そう言うと、三吉くんは笑いながら『そうかも』と答えた。


でも、鼻にティッシュを詰めたままみんなのところにもどるのは恥ずかしい。
その姿を三吉くんに見せてる時点ですでに恥ずかしいことには変わりないけど……。



「希子って運動得意そうに見えたけど、球技は苦手?」

「ううん、好きだよ。だけど今日はちょっとね……あはは」

「足とかすげえ速いよな」

「本当? ありがとう!」



足速いって言ってもらえるの、うれしいな。

陸上だって続けたかったけど、強化部でものすごくきついらしい。
それにシンスプリントだからたくさん運動しすぎると、すねが痛くなるし、諦めたんだ。


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