恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
ちょっとショックだなあ……。
そんなことを思いながら、5と書かれた数字を消して、そのうえから〝芹沢〟と書いて席に戻る。
周りの子はどんな子になるかな。
ドキドキしながら、名前で埋まっていく黒板を眺める。
そして彼が名前を書いた場所に、『え』と小さく声が出た。
……三吉くん、あたしのまえだ。
こんな偶然もすごいなあ。
楽しみなような、そうでもないような。
なんだかよくわからない気持ちが胸を占める。
「よし!引き終わったな。 じゃあ席移動しろー!」
そんな先生の言葉で、みんなはすぐに立ち上がって、ガタガタと机と椅子を新しい自分の席の場所へと移動させる。
残念ながら、隣の席も男の子だった。
いちばん近くて、ななめまえの席に女の子がいる。