恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
だけど、窓側の席って憧れだったし、しかもいちばんうしろだったから、ラッキーかも……!
ちょっとドキドキしながら、席を移動させる。
そんなあたしのまえに、三吉くんが机を持ってきた。
「希子、近いな」
「うん……!」
やっぱりうまく話せない。
ふつうの男の子とは、なにも戸惑うことなく話せるのに。
三吉くんとは、話せない。
声が上ずる。
これは、気がつきたくない気持ち。
認めたくない気持ち。
だって、胸が苦しくなる。
嬉しいはずなのに悲しくて。
胸の奥がきゅーっと痛む。
昨日の夜はあまり眠れなくて、そんなとき夢に莉子がでてきた。
あたしは莉子に、なんどもなんども、謝った。