恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「あたしの顔をばかにするってことは、莉子のこともばかにしてるってことだよ! いいの!?」
ひとつ、いいアイデアが浮かんで。
春馬にそう言ってみる。
「いや、莉子と希子は全然ちがうから」
だけど効果なしだったようで、春馬はさらっと流すようにそう言った。
あたしと莉子は、クラスメイトからもたまに間違えられるくらい似てるのに。
家族とか春馬とか仲良い人には、区別がついちゃうらしい。
それにしてもその言い方はひどいなあ。
いくら莉子が好きだからって、そこまであたしのことをばかにしなくたっていいのに!
……そう思うのもキリがない。
呆れてため息をこぼすと、春馬は少し睨んできた。