恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
でもね。
せっかく生まれたこの気持ち。
認めないで、消したくないの。
だから、許してほしい。
嫌われたっていいけど、少しの間だけ、許してください。
ーー自分のなかでけじめがつくまで、三吉くんに恋をさせてください。
また、胸の奥が痛む。
ヒリヒリする。
同じ人を好きになって、ごめんね。
莉子に嫌われるかもしれない。
莉子に悲しい思いをさせるかもしれない。
だけど、少しだけでいいから。
この気持ちを大切にしたいんだ。
「……希子?」
「っへ」
眉をひそめながら、あたしのほうを振り返る三吉くんの声に我にかえる。
「どうした? 授業はじまるけど、眠いの?」
「う……ううん!大丈夫」
HRが終わってからずっと、ぼーっとしていたのかな。
なんだか少し、記憶が飛んだ。