恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
すると、さっきみたいに三吉くんの腕がゆっくりと伸びてきて。
大きな手のひらに、そっと紙を乗せた。
そのときに、ほんの少し指先が触れた。
たったそれだけのことなのに、胸がドキドキしてる。
そしてまた戻ってきたルーズリーフ。
そこに書いてあった内容を読んでから顔を上げて、教卓のまえに立つ数学の先生を見る。
こらえきれなくなって思わず『ぶっ!』と吹き出しそうなくらいの笑いが、こみ上げてきた。
【でももう目が覚めた。 つうかさ、あいつのヅラずれてねー?】
なんていう、いたずらな感じの内容。
三吉くんってこんなところもあるんだ。
あたし、まだまだ知らないところばかりだ……。
もっと、君が知りたい。
もっと、君と話したい。
ーー好き。