恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
閉め切られている窓には、あたしの姿が薄くうつっている。
なんとも言えない表情をしている、あたし。
そんな自分から目を逸らして、遠くの空のほうを見つめる。
休み時間だから、雨の音はみんなの声にかき消される。
だけど授業中になると、うるさいほどの雨の音が聞こえる。
莉子、どうしてそんなに泣いてるの?
あたしは別に、悲しいことなんてないよ……。
そう思うと、『嘘つき』という莉子の声が聞こえた気がした。
だからつい、辺りをきょろきょろと見回してしまった。
空耳だって、わかってる。
莉子はもういないんだって、わかってる。
あたし、莉子と話したいよ。
たくさんたくさん、話したい。
無理だってわかってるのに、それでもそう思っちゃう自分がいる。