恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



ーーキーンコーン。
チャイムが鳴ると、3限の古典の先生が教室に入ってきた。


それと同時に、芽依もみんなも自分の席に戻る。



そしてあたしの目のまえにも、三吉くんの背中が現れた。



見た目はそんなにいかつくなくて、華奢なほうなのに。
よく見れば筋肉がついてがっしりとしていて、男の子なんだなあって思う。


授業がはじまってすぐに、上がったり下がったりする頭。
いつも眠そうにしてるなあ……。



見てるだけなのに、幸せな気持ちになる。
想ってるだけなのに、恋って楽しいなって思う。



莉子は三吉くんのどこを好きになったのかな。



あたしは、もし聞かれてもうまく答えられないや。
ただ、〝気になる〟って思った。
ーーそうしたら、〝好き〟って思った。



莉子も同じだったのかな。
そう思いながら、窓の外に見える空を見た。




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