恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
そんなことを思いながら、ふたりと話しながら駅へと向かう。
「ねえ、ふたりは……ちゃんとまえに進めてる?」
そんなことを聞いてみると、あたしの右を歩く芽依と、その右を歩く実鈴は目を見開いてあたしを見た。
「私は、進めてるよ。 ……って言いたいところだけど、全然進めてない」
「あたしも。 いつもりーちゃんの顔が頭に浮かんじゃうよ」
ふたりとも悲しそうな顔をして、そう言った。
……おなじだ。あたしもだよ。
進んでるふりをしているだけ。
本当は……全然進めてなんかいない。
なんどもなんども、うしろを振り返っている。
いまだって、そうだ。
左隣に莉子がいないだけで、悲しくなってしょうがない。
「芽依と実鈴は、あたしを莉子だって思うとき、ある?」
そんな言葉に、ふたりはまた同時に驚いた顔をした。
なんだかさっきから、ふたりは同じ顔をしてばっかだ。