恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



それなら湖都ちゃんは、



「三吉くんのこと好きなんだ?」



ってことだよね。

そう思ったとおり、湖都ちゃんは頬を少し赤く染めて『うん』と小さくうなずいた。



「朝陽、中学の卒業間近になるとね、いろんな子から告白されてた。 私も……しようって思ってたんだけど、朝陽は『好きな子がいるから』ってぜんぶ断ってた」

「……うん」

「朝陽と仲良い子から聞いたんだけど、朝陽って他中の子が好きだって。 いま思えば、それって希子ちゃんのことなんじゃないかなあって思ったの」

「え? あたし?」



つい、そんな反応をしてしまったけど。
三吉くんの好きな人は、あたしの名前を名乗った莉子だ。


ちょっとだけ、胸がもやもやする。
切ない横顔の湖都ちゃんからも、目を逸らしてうつむく。


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