恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
あたしの家の最寄り駅で降りたのは、芽依と実鈴と湖都ちゃんと、三吉くん。
他の男の子たちはそのまま電車に残った。
「希子、ちょっと……いい?」
同じ方向の芽依と実鈴と帰ろうとしていたけれど、三吉くんに呼び止められた。
「じゃあ私らはさきに帰ろう。行くよ、実鈴」
「あ、うんっ。 湖都ちゃんきーちゃん、またね!」
気遣ってくれたのかわからないけど、芽依と実鈴はおもむろにそう言うと、帰路についてしまった。
「わ、私も……帰るねっ」
気まずそうにしていた湖都ちゃんも、小さくそう言うと帰って行った。
さっきあの話をしたばかりだ。
だから、今後はきっと……こんなことで気まずくなったりは、しないよね。
「三吉くん、どうしたの?」
ちょっとだけうつむいている、三吉くんにそう投げかける。