恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
だけど莉子にとっては、二度目の告白だ。
だけどどっちも、莉子は自分の素直な気持ちを彼に伝えてない。
あたしは、莉子の代わりに気持ちを伝えることなんて、できるわけがない。
「もう迷惑だと思うから、話すのやめるな」
「っえ? どうして……? ちょっと待って、三吉くん!」
どうしてそうなるの。
なんで、そんな悲しそうな顔で、そんなことを言うの。
あたしが彼になにかを伝えるまえに、彼は『じゃあな』と笑ってから、あたしの家のほうとは反対方向に行ってしまった。
三吉くんに背中を向けて、涙をこらえて、あたしも歩き出す。
ぽつり、と顔になにかが触れた。
そう思って顔をうえに向けると、灰色の雲がもくもくと浮かんでいて。
ぽつりぽつりと、小雨が降ってきた。