恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
家に着いてから、泣いて泣いて、たくさん泣いても。
もやもやしてる気持ちは、晴れない。
窓の外も、雨がザーザー降りで。
余計に、すっきりしない……。
『俺、希子が好き』
その、彼の2度目の告白。
それに、『あたしも好き』と答えようとしている自分が、まぎれもなくそこにいた。
あの告白はちがうよ、あたしじゃない。
あれは、莉子に向けてなんだ。
そうなんどもなんども言い聞かせたって、悲しくなって苦しいよ。
気持ちは伝えないってそう決めたのに。
伝えられないもどかしさに、嫌気がさす。
たとえ莉子に向けての告白だとしても、振ることにはすごく勇気が必要だった。
好きなのに、断るなんて、嫌だった。