恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「どうしたの?」
「お前がなにを勘違いしてるのか知らねえけど、さっきみたいなことはやめろよな」
「さっき……?」
「だから、莉子に教科書貸したりすること」
イライラしたような口調。
……もしかして、春馬が莉子を好きだってことが、勘違いだったのかな。
「春馬は莉子のこと、好きなんじゃないの?」
思い切って、聞いてみる。
「……どうしてそう思うんだよ」
「えっ。 だ、だって莉子と話すときはいつも顔が赤かったし……」
同じ顔のあたしと話してるときは、ふつうの表情なのに。
莉子とのときは明らかに違かった。
「さすが希子だな」
「え? なにが?」
春馬は『ふ』と鼻で悲しそうな顔をして笑ってから、机のうえに腰をかけた。