恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
三吉くんだって、もう話しかけないって言っていた。
それならこのまま、あたしも忘れてしまえば、いいことだ。
だって、莉子のことも言わないままでいられるし、この行き場のない気持ちも、冷めるはずだから。
ーーだけど、そんなのすぐにはできない。
この気持ちが消えるのは、いつ?
いつになれば、もう苦しくなくなるの?
「もう嫌だ……っ」
涙は、どんどんシーツを染めていく。
泣いたって、意味はないのに。
家に帰ってから、どれくらい泣いたんだろう。
雨が降ってから、どれくらい経ったんだろう。
そう思ったときに、部屋のドアがガチャッと勢いよく開いて。
それと同時に、震えていた肩がビクッと大きく跳ねた。