恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
春馬と別れて、自分の教室に入ると。
すぐさま芽依が駆け寄って来た。
「おはよ、芽依」
「おはよう。 ……ねえ、あんた平気?」
「うん? なにが?」
芽依と話しながら自分の席に着く。
まえの席にはもう三吉くんの姿があったけど、意識しないようにする。
「いやだってさ、土曜日……」
「芽依!!」
芽依の言葉を遮ると、『あ、やば』と焦ったように芽依は口を閉じた。
「ちょっと来て!」
「え?どこ行くの?」
あたしの腕を掴んで、引きずられるようにして芽依に廊下に出される。
芽依ってば力強いって……。
掴まれた右腕が、ひりひりと痛んだ。
「芽依?」
「だって希子、三吉くんにさあ……」
「もうね、吹っ切れたよ! あたしも諦めることにしたから、いいの」