恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



春馬と別れて、自分の教室に入ると。
すぐさま芽依が駆け寄って来た。



「おはよ、芽依」

「おはよう。 ……ねえ、あんた平気?」

「うん? なにが?」



芽依と話しながら自分の席に着く。
まえの席にはもう三吉くんの姿があったけど、意識しないようにする。



「いやだってさ、土曜日……」

「芽依!!」



芽依の言葉を遮ると、『あ、やば』と焦ったように芽依は口を閉じた。



「ちょっと来て!」

「え?どこ行くの?」



あたしの腕を掴んで、引きずられるようにして芽依に廊下に出される。

芽依ってば力強いって……。
掴まれた右腕が、ひりひりと痛んだ。



「芽依?」

「だって希子、三吉くんにさあ……」

「もうね、吹っ切れたよ! あたしも諦めることにしたから、いいの」


< 250 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop