恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
* * *





次の日。
いつ話しかけようと、朝からそわそわしていたけれど。


希子と目が合うたびに、ばっとすぐに逸らされて。
それに、希子はすげえ悲しそうな顔をしていた。


だから、話しかけるタイミングなんて一度もなかった。



……俺、この高校に入ってからずっと、無意識に希子を目で追っていた。


それは莉子と重ねていたからなのか。
それとも、ただ……希子のことが好きだったからか。



いつも笑顔で明るくて。
体育とかで見たときに、すっげえ運動神経がいいなって思ったけど。

勉強は全然できなくて。



ーーもっと、希子のことが知りたいって、自然とそう思ってた。



だけど好きになった理由は、って聞かれても答えられない。
じゃあこれは……好き、とかとはちがう?


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