恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
わけわかんねえよ……。
莉子のことを好きになったのも、自然と惹かれたからだった。
『好き』とは思ったけど、それが本当に恋なのかっていうのはわかんねえし。
だからこの希子への気持ちだって、たぶんちがうのかもしんねえよな……。
「朝陽? どうしたんだよ」
ため息を吐きながらぼうっとしていると、田口が俺の席に来てそう聞いてきた。
「……なんでもない」
「そうか?」
「ああ」
不思議そうな顔をしていた田口だったが、俺がうなずくと『ふーん』と答えた。
これはたぶんちがうんだろうな。
ーーきっと、これは恋じゃない。