恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
ものすごく嫌そうな顔をして職員室に向かう芽依を見送って、まえに向き直る。
すると、教卓のほうからあたしのまえの席に向かって歩いてくる三吉くんと、ぱちっと目が合ってしまった。
だけど、三吉くんに逸らされるまえに、あたしがばっと目を逸らす。
感じ悪いかな……。
でも、迷惑だと思うし、しかたない。
早く、忘れちゃおう。
ぜんぶぜんぶーー忘れよう。
あの日からずっと毎日、なんどもなんども自分にそう言い聞かせてた。
だけど、ふいに目が会うたびに、胸は恋の音を鳴らすんだ。
だから、もうすこしだけ時間がかかってしまいそうだ……。
早く席替えがしたいなあ。
授業中、意識しなくても三吉くんの背中が目に入って、気がつけばずーっと見てしまうくらいだから。