恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



そんなことをぼんやりと思いながら、頬杖をついて窓の外に視線をやる。


太陽が真上にちょうどくるお昼ごろ。
窓側の席なのにカーテンを閉めていないから、じりじりと肌が焼けるような感覚がする。



もう夏だ。夏休みだ。
去年は受験生だったからなかなか出かけさせてくれなかったけど、今年はたくさん出かけよう!

楽しみだなあ……。



もしかしたら、補習があるかもしれない。



それでも、すっきりとした青い空を見上げながらそんなことを考えるだけで、夏が待ち遠しい。



「きーちゃん!」

「あ! 実鈴、湖都ちゃん!」



実鈴の大きな声に、視線を教室のうしろのドアに向ける。
するとそこには、実鈴と湖都ちゃんが立っていた。


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