恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
あわてて立ち上がって、そんなふたりのところに駆け寄る。
「あれ?芽依ちゃんは?」
「クラス委員だからって仕事押し付けられたみたい」
そう言うと、実鈴が『あ!』ときゅうに大きな声を上げた。
「あたし、保健委員で呼ばれてた! ちょっと行ってくる!」
「え? ちょっ、実鈴!!」
あたしの声なんて届いてないかのように、実鈴は人ごみの廊下の奥へと消えていった。
「しかたないから、ふたりで待とっか……」
「あ、それなんだけどね。 実はきゅうに部活が入っちゃって」
「え!?」
「だから、断りに来たの」
申し訳なさそうにまゆじりを下げてそう言った湖都ちゃんを見て、なにか言葉を返すのをやめた。