恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「ありがとう、希子ちゃん。 それで……」
「なにも言わなくていいよ! あたしはもうかなりまえに、諦めてるんだ」
「っえ?」
「だから、おめでとう!!」
あたしの言葉にホッとしたのか、湖都ちゃんは小さく息を吐いた。
もしいまここに莉子がいて。
……三吉くんとうまくいったとしても、あたしはきっと素直に喜べていた。
それに、もしあたしが莉子に『三吉くんが好き』って言ったら、莉子は湖都ちゃんみたいな反応をしたのかな。
「希子ちゃん?」
「へ……」
「やっぱり、」
「ちがうよ!本当にちがう。 ちょっと考えごとしてただけだから」
それは、本当だよ。
だから笑顔を見せていると、湖都ちゃんもぎこちなくだけど、笑ってくれた。
「希子ちゃん、ありがとう」
「ううん! これからもよろしくね」