恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
なんだかあらたまると、ちょっとだけくすぐったい気持ちになる。
「本当に……よかった。言いづらかったけど、言わなきゃって思ってて」
「言ってくれてありがとうね」
首を横にぶんぶんっと思い切り振っている湖都ちゃんを見ていると、おかしくてつい笑ってしまった。
「じ、じゃあ私は……行くね!」
「うん、がんばって」
「また明日ねっ」
「ばいばい!」
あたしに手を振りかえして、すぐ隣の教室のなかに戻って行く、湖都ちゃん。
もやもやってしないまま、ちゃんとお祝いできたから、よかったな。
……そうだ、ふたりを待たなきゃだ。
そう思ってすぐに踵を返して、自分の席へと戻る。
教室のまえの廊下で話しているうちに、さっきよりもクラスメイトの数が減っていた。