恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「水遊び?」
「そう。 しかもあれ、三吉くんたちじゃん」
そんな強調されて名前に、ドキッとする。
芽依はにやにやしながら、『ほら見て』と言って窓から身を乗り出して、下を指差した。
あたしも芽依と同じような姿勢になって、窓から顔を出して、下を見る。
「……本当だ」
ちょうど真下にある水道には、たしかに三吉くんたちクラスメイトの男の子が、ホースを使って水遊びをしていた。
「いやあ、いいねえ。 私も頭から水浴びたいくらい」
「浴びて来れば?」
「なに言ってんの。冗談よ冗談」
……本気で言ってるように見えたけど。
ぱたぱたと、襟元を仰ぐと、こもった制服のなかを風が通り抜けた。
だけど生ぬるくて、すっきりしない。