恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
転びそうなのを気をつけて、いそいでホームに降りると。
ちょうどよく、目のまえに電車が止まった。
……あ、そういえば、三吉くん。
ほったらかしにしていたことを忘れていたけれど、うしろを振り返るとそこに三吉くんが立っていた。
「乗らねーの?」
「の、乗る……」
うまく話せない。
もう、なんでこんなことしたの。
春馬と芽依と実鈴のばか……!!!
チケットに書かれた座席表と、車内の番号を照らし合わせながら、席を探す。
普通電車とはまたちがう、新幹線みたいな感じが、どこか新鮮で。
期待もあるけれど、不安も大きい。
「希子、ここ」
「……あ、うん」
お互いに、どこかよそよそしくて。
お互いに、気まずくて。