恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
2列シートの窓側にあたしは腰をかけて、もちろんその隣に三吉くんが座った。
みんなの代わりに芽依が買いに行ったチケットを、学校でお金と交換して。
でもそのときは、みんなと同じ電車だって、ふつうに思ってたから。
ーーこんなことになるなんて、思ってもいなかった。
肩が触れそうな距離にドキドキして。
こんなんじゃ、目的地までゆっくりできないじゃん。
……でもそんなことよりも。
この胸が緊張でドキドキしてるんじゃないんだって、気がついた。
あたし、まだこの気持ち、忘れられてない……。
「……希子」
「っへ?」
いきなり話しかけられて、びっくりして肩が大きく跳ねた。