恋日和 〜キミに届かない恋でも〜




「三吉くん、きゅうに図書館に来なくなっちゃったよね」

「……途中から、莉子とちがう図書館行ってたから」

「うん、知ってる」



だけどそれは、莉子がいなくなって、はじめてわかったことだった。

高校生になって3ヶ月。
莉子がいなくなってもう……今日で4ヶ月になったんだ。



「莉子にたくさん話しかけてあげてね」

「あぁ」

「きっと、喜ぶから……!」



お互い沈黙になってシーンと静かになると、余計に口が開きにくい。


あたしは窓の外に視線を向けた。
あたしの住むところよりも、のどかな街並みに変わっていて。



すこしずつ、おばあちゃん家に、莉子に近づいている。




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