恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
恥ずかしくなって顔をうつむかせる。
なにやってるんだろう、あたし……。
「み、三吉くん」
「ん?」
「あのさ……。 あたしと、友達になってください」
もごもごと話す言葉。
届いてるかさえ、わからないくらい。
でもちゃんと言えた。
変な、お願いかな。
『嫌だ』って断られるかな……。
「うん、当たりまえだろ」
そんな優しい口調の言葉に、肩の力が一気に抜けた。
「本当? ……ありがとう」
またそこで、話が終わってしまった。
だけど、すごく……ホッとした。
また友達に戻れるんだ。
そう思うと、すごく嬉しくて。
そう思っていると、車内アナウンスが流れて、まもなくおばあちゃん家の近くの駅に止まる。