恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



あくびをしてる春馬の頭に軽くチョップをすると、ギロッと強く睨まれた。
うわあ。怖い……。



「ほら、もう早くいこうよ〜! きーちゃん、おばあちゃん家、どこ?」



1本まえの特急列車って、たしか1時間前だった。
だから待たせて悪いことしたなあ……。


芽依と実鈴は口には出さなかったけど、もう待ちくたびれてるのが見てわかる。



「おばあちゃん家、すぐそこだよ。 挨拶してからお墓参り行こう」

「そうね。 ほら河西!歩く!」

「岡藤って怖いよな……」



そんなみんなのやりとりに、自然と笑みがこぼれる。


莉子に会いに行くのは不安だらけだったのに、そんな不安は少しだけ取り除かれた。


< 296 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop