恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
隣に座っていたふたりは、あたしよりまえにとっくに終わっていたみたいで、ただ呆然と立っていた。
「うっ……く」
「希子、ちゃんと伝えられた?」
「うんっ。 あ、でもあとひとつ……」
頬を伝う涙をぬぐって、泣くのを堪える。
そしてあたしは、うつむいている三吉くんのまえに立った。
「希子……?」
「やっぱり、いまでもいいかな」
「なにが?」
そう言って、三吉くんは首をかしげた。
心を落ち着かせるようにして、ゆっくりと深呼吸をした。
「ーーあたし、三吉くんが、好きです」
もう胸につっかかるものはない。
それにきっと、いましか伝えられそうもない。
だからようやく、〝あたし〟として、彼に気持ちをぶつけることができたような、そんな気がした。