恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
莉子、ごめんね。
莉子、ありがとう。
伝えたいことは、たくさんだ。
莉子は怒ってるかな。
莉子は笑ってるかな。
そんな表情は、いまも変わらずわからないけれど。
ーー笑っているはずだって、信じたいんだ。
気持ちを届けるまでには、いろいろなことに迷った。
悲しいことも苦しいこともあったけど。
毎日が色づくように幸せな気持ちで、君に恋をしている。
「朝陽くん!」
君の名前を呼ぶと、ほら。
振り返った君は、太陽みたいなきらきら輝く笑顔を見せてくれた。
「おはよ、希子」
「おはよう!」
太陽がまぶしいくらいの晴天。
そんな清々しい朝、あたしは朝陽くんに笑顔を返して、隣に並んだ。
———そんな君の隣は、恋日和。
END.
【日和:その事をするのに都合の良い天候】