恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
コンコン、と部屋のドアをノックする音が聞こえて、むくっと体を起こす。
「あれ、莉子がめずらしく勉強してない!」
希子は部屋に入ってくるなり、目をまるくさせてそう言ってきた。
たしかに、寝るまではいつも机に向かっているから、希子が驚くのも無理はない。
「うん、ちょっと……」
「え〜なになに? いいことでもあった!?」
「っえ!?」
「すっごく嬉しそうな顔してる〜」
興奮気味にそう言ってくる希子に、うまく返す言葉が見つからない。
これじゃあ、明らかに図星の反応だよね。
だからか、希子もニヤニヤした顔で見つめてくる。
「な、なんでもないよ……!」
「え〜!怪しい……」
「なにもないってー。 ほら、勉強しなきゃだよ?」