恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
《Kiko》





帰りの会が終わると、同じクラスで小学校からの仲の、岡藤芽依(おかふじめい)が駆け寄ってきた。



「芽依、どうしたの?」

「今日さ、一緒に勉強しない?」

「も、もしかして……」



芽依はにんまりと笑っている。
いつもはクールな感じなのに、そんな表情はどこか怖く感じる。



「図書館の〝彼〟を見たくて」



芽依の返答は予想どおりだった。
この間、その〝彼〟のことを話してから、芽依はすごく気になってる様子を見せていたから。



「えー」

「なにその反応! まあいいじゃん?」

「仕方ないなあ。 ……でも、春馬にはそのことがバレないようにしてね!」

「はいはい。 わかってるって」



芽依はどこか楽しげにそう言ってから、自分の席に戻って行った。




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