恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
学校から家に着いてすぐに図書館に行く準備をしていると、隣の莉子の部屋のドアがバタンと閉まる音が聞こえた。
登校するときは、あたしの右隣を春馬が歩いて、左隣に莉子がいる。
だけど、下校するときはみんなばらばら。
ひととおり準備をし終えて、黄色いリュックを背負って部屋を出ると。
同じタイミングで隣の部屋のドアも開いた。
「あれ? 莉子もどこか行くの?」
「えっ、あ、うん」
明らかに挙動不審な莉子。
いったいどこに行くんだろう……。
「じゃあ、私は急いでるから行くね!」
「あ、いってらっしゃい!」
「行ってきます」
あたしの目の前をとおりすぎて、階段を急いで駆け下りる莉子。
莉子と同じクラスの実鈴(みすず)と約束でもしたのかな……?