恋日和 〜キミに届かない恋でも〜




学校から家に着いてすぐに図書館に行く準備をしていると、隣の莉子の部屋のドアがバタンと閉まる音が聞こえた。


登校するときは、あたしの右隣を春馬が歩いて、左隣に莉子がいる。
だけど、下校するときはみんなばらばら。


ひととおり準備をし終えて、黄色いリュックを背負って部屋を出ると。
同じタイミングで隣の部屋のドアも開いた。



「あれ? 莉子もどこか行くの?」

「えっ、あ、うん」



明らかに挙動不審な莉子。
いったいどこに行くんだろう……。



「じゃあ、私は急いでるから行くね!」

「あ、いってらっしゃい!」

「行ってきます」



あたしの目の前をとおりすぎて、階段を急いで駆け下りる莉子。

莉子と同じクラスの実鈴(みすず)と約束でもしたのかな……?


< 42 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop