恋日和 〜キミに届かない恋でも〜

ひとり首をかしげながら、階段を降りる。
すると階段の目のまえの玄関には、すでに莉子の姿はなかった。


こんなにも急いでるから、なにかあったのかなってすごく気になっちゃう。



スニーカーを履いていると、ちょうどよく呼び鈴が鳴って、ドアを開ける。
すると、春馬と芽依が門の向こう側に立っていた。



「莉子、さっきどこかに行っちゃったけど一緒に勉強しないの？」

「え？」



ドアに鍵をかけていると、芽依が春馬にそう聞いてるのが聞こえて、動きがピタリと止まる。



「り、莉子はひとりのほうが集中するからって来ないの」

「ふーん、そうなんだ。　でも、あんなに急いでどこに行ったんだろうね？」

「あたしもわかんないっ」



莉子がそう言って、あたしたちと一緒に勉強しないのは本当。

その理由にはもしかして春馬が絡んでいるのかもしれないけど、そんなことは考えない。