恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
家のまえに着いてすぐに、春馬にそう言って家のなかに入る。
逃げるが勝ち、ってこういうことなのかな。
でも春馬には絶対に言わないし、言えない!
だって、ばかにされるのが目に見えてるし。
「ただいまー」
「おかえりなさい。 希子、ごはんできたから莉子のこと呼んで来てくれる?」
「うん、わかった!」
リビングに少し顔を出すと、お母さんにそう言われていそいで自分の部屋に戻る。
荷物を置いて制服から部屋着に着替えてすぐに、隣の部屋のドアをノックする。
「莉子、ごはんできたって!」
ドアを押しながらそう言うと。
莉子はベッドに座りながら携帯の画面を見ていた。
昨日もだけど、莉子のこんな姿……めずらしい。