恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



家のまえに着いてすぐに、春馬にそう言って家のなかに入る。
逃げるが勝ち、ってこういうことなのかな。


でも春馬には絶対に言わないし、言えない!
だって、ばかにされるのが目に見えてるし。



「ただいまー」

「おかえりなさい。 希子、ごはんできたから莉子のこと呼んで来てくれる?」

「うん、わかった!」



リビングに少し顔を出すと、お母さんにそう言われていそいで自分の部屋に戻る。

荷物を置いて制服から部屋着に着替えてすぐに、隣の部屋のドアをノックする。



「莉子、ごはんできたって!」



ドアを押しながらそう言うと。
莉子はベッドに座りながら携帯の画面を見ていた。


昨日もだけど、莉子のこんな姿……めずらしい。


< 49 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop