恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「だれだれ!?」
「ひ……秘密!」
「教えてよー! 同じクラス?」
そう聞いてみると、莉子は首を小さく横に振った。
じゃあ、だれなんだろう……。
頭に思いつく限りの男の子の名前を出してみるけど、莉子は一向に首を縦には振らない。
嘘を吐くはずはないから、きっといま出した男の子ではないはず。
だからこそ、だれなのかすごくすごく気になる。
だって莉子はきっと、その男の子に恋をしてる。
これも勘だけど、莉子の反応を見てるとそう思っちゃう。
「希子!莉子!」
思いつかないまま首をひねっていると、お母さんの声が聞こえた。
「あとで教えてね?」
「わ……わかった!」
「絶対だよ!」
「うん……っ」
莉子のその話を聞くのが楽しみ。
もし本当に恋をしてるなら、絶対に応援する。