恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
ごはんも食べ終えて、お風呂を出てすぐに莉子の部屋に行く。
莉子はどこか恥ずかしそうに顔をうつむかせた。
「教えてくれるの?」
「う、うん。 あのね……その男の子は西中なんだけど、すごく優しくて温かい人なの」
「どこで知り合ったの?」
そう聞くと、莉子は口をつぐんだ。
他の中学の男の子と知り合いだったことに、すごく驚いた。
だけどその様子じゃ、べつに莉子はその人のことが好きなわけではなさそう。
「莉子?」
「っへ。 ……あ、えっとね私の話を聞いてくれたの」
「話?」
「うん。 その人も、同じ高校を目指してるって知って仲良くなったんだ」
照れくさそうに見えるけど、どこか悲しそうな顔をしてるように見えた。