恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
「じゃあ莉子はあたしの逆だね」
「そ、それは……! きっと話しやすかったからだよ。私、男の子は苦手だからいつもなら話せないもん」
「でも、その三吉くんとは話せるんでしょ?」
「う、うん……」
莉子は照れくさそうに顔をうつむかせた。
明日もきっと図書館には来ない。
さっきからずっとそう思ってるくせに、心のどこかでは〝彼に会いたい〟だなんて思ってる。
「希子の気になる人は、なんていう名前なの?」
「それすらわからなくて」
「そうなんだ……」
聞いておけばよかったな。
なんて、後悔ばかり。
うじうじしちゃってばかみたい。
ただ、見てるだけで満足してた。
彼がいるだけで気持ちがなんだかふわふわしてた。
だけどもう、そう思うこともなかった。